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2010年9月1日水曜日

せん妄との違い

「せん妄」とは、急性脳障害によって一時的になる軽い意識障害です。
意識混濁状態になり理解力や判断力がなくなって、妄想や幻覚症状が現れて興奮状態になります。
アルツハイマー型の認知症ではこのせん妄症状が現れることがあります。
しかしせん妄の人と認知症の人では違いがあります。
せん妄の人の場合、一日の中でもその症状の出方に違いがあって変化が激しいです。
せん妄の人は物事をしっかりと理解して頭がはっきりとした状態のときと、そうではない状態のときがあります。

基本症状を比べてみると、せん妄の場合は意識障害、幻覚や運動障害がしばしば見られます。
認知症では、記憶障害と認知障害が見られます。
発症の出方を比べてみると、せん妄の場合は急激に発症しますが、認知症の場合は段階を踏んで徐々に症状がでてきます。
動揺性を比べてみると、せん妄では同様が頻繁で特に夜間に悪化しますが、認知症では少しだけでほとんどありません。
これらの症状はせん妄では数日から数週間持続するだけなのに対して、認知症では永久的に持続します。
睡眠障害については、せん妄では覚醒リズム障害があるのに対して、認知症ではほとんどありません。
せん妄は薬や環境の影響によって発症することがありますが、認知症では薬も環境も関係ありません。

一見間違われそうなせん妄と認知症ですがこのような症状の違いがあります。
認知症だと思い込むのではなく、症状がみられたら専門医の診断を受けるようにして適切な治療を受けましょう。


うつとの違い

せん妄以外にも認知症と間違われやすいのが「うつ状態」です。
うつ状態とは、心がふさいで気分が落ち込んで全てのことにやる気が起こらなくて憂鬱な状態のことです。
思考能力も低下して、物事をあまり考えられなくなります。

基本症状としては、うつでは抑うつ症状や心気的症状がみられます。
認知症では、記憶障害や認知力が低下します。
感情で比較すると、うつでは抑うつ気分を持続しているのに対して、認知症では表面的に感情が現れて、動揺性もあります。
記憶や認知に関しては、認知症の典型的な症状といえますが、うつではほとんどみられない症状です。
言語にも認知症は影響を与えて言語障害が会話に支障をきたすほど現れますが、うつでは言語障害はみられません。
人との会話に対しては、うつではただ反応が鈍くなったり「わからない」と答えたりするだけなのに対して、認知症では怒ったり、言い訳をしたり、作り話をしたり、答えなかったりします。
これらの感情はうつでは、数時間から数週間持続しているだけですが、認知症では永久的に持続しています。
さらにうつ状態の典型的な感情として、自殺願望がありますが、認知症には自殺願望はあらわれません。

このようにしてうつ状態と認知症ではあきらかに症状に違いがあります。
うつの場合は抗うつ剤などの投与によって症状がいくらか改善されます。
いずれにしてもこれらの症状があらわれたらすぐに医療機関を受診してください。
一瞬だけですぐに症状がなくなったとしても、必ず専門医に診せて検査をしてもらいましょう。